シンフォニア・ブエノスアイレス

コンサートに行くか否か、この1年はずっと迷いつつ、基本的に控えてきました。コロナの状況は一進一退ありつつも安心できる状況からはほど遠い上、家族の職業の関係で (詳細は省きますが) 行動には慎重を期さなければならない、という事情もあります。結局昨年(2020年) 2月以降は、12月にオーチャードホールで第九を聴いたのが唯一の生音でした。

で、今回。

迷ったと言っても自分の欲求ですから、まあ勝手なものです。でもクラシックの作曲家を志したピアソラが、タンゴから離れた純粋なクラシック作品として書いたこの作品の日本初演を、どうしても聴いておきたかったのです。

東京フィルハーモニー交響楽団 第953回定期演奏会

  • 2021年5月16日(日) 15:00~ Bunkamura オーチャードホール
  • 指揮:アンドレア・バッティストーニ
  • バンドネオン:小松亮太、北村聡
  • コンサートマスター:依田真宣
  • ピアソラ:シンフォニア・ブエノスアイレス Op.15
  • プロコフィエフ:バレエ音楽『ロメオとジュリエット』組曲より

いやー、凄かった。第一楽章は破壊的なエネルギーに圧倒され、第二楽章は美しく響く和声に包み込まれてやがてどこかへ連れて行かれそうになり、第三楽章はスリリングでたたみかけるようなパッセージに魅了されました。タンゴを離れたと言いつつもバンドネオン2台が参加し、リズムもハバネラや3-3-2が随所に顔を出すなど、タンゴ的な意匠もたくさん。当時のピアソラのタンゴに対するアンビバレントな感情が見えた気もします。バッティストーニの情熱的で踊るような指揮は観て楽しく、それが音となって我々の前に現れる瞬間に立ち会えたことは幸せでした。

アンコールは小松亮太と北村聡によるバンドネオン二重奏で「想いの届く日」。ホールに美しく響く生音のバンドネオンは感動的でした。

休憩をはさんでのプロコフィエフ「ロメオとジュリエット」からの抜粋も素晴らしかった。「シンフォニア・ブエノスアイレス」とは同じ時代の作品として、両者に共通する響きがあるようにも感じられました。

次に生音で音楽を聴けるのがいつになるか、正直わかりません。一日も早く状況ぎ改善することを祈りつつ、またしばらくは我慢の日々が続くかもしれません。

(感想は Facebook のコメントに書いたものをベースに一部加筆修正しました)

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