Viaje de Tango vol.19 ビクトル・ラバジェン (黄金時代を経験した現代の巨匠シリーズ)

2022年10月2日に放送された「Marcy & Magi の Tango en Tokio」の中のコーナー「吉村俊司の Viaje de Tango」の事前メモ公開です。この日は「黄金時代を経験した現代の巨匠」の4回目で、ビクトル・ラバジェンの特集でした。

ビクトル・ラバジェン Victor Lavallén

略歴と放送中にかけた楽曲です。

  • 1935年12月18日 サンタフェ州ロサリオ市生まれ
  • バンドネオン奏者だった叔父にバンドネオンを習う
  • 14歳でブエノスアイレスに上京、バンドネオンを学びながらいくつかの楽団に参加
  • 1951~54年ミゲル・カロー楽団に参加
  • その後もアンヘル・ドミンゲス、ミゲル・ニヘンソン、エンリケ・フランチーニ、ホアキン・ド・レジェス、フアン・ホセ・パス、アティリオ・スタンポーネ等の楽団に参加
  • 1958~68年オスバルド・プグリエーセ楽団に参加、オスバルド・ルジェーロ、フリアン・プラサ、イスマエル・スピタルニク、アルトゥーロ・ペノン等によるバンドネオンセクションの一員となる
  • 1968年、同楽団主力メンバーが脱退して結成した《セステート・タンゴ》に加わる
    • メンバーはオスバルド・ルジェーロ、ビクトル・ラバジェン (bn)、エミリオ・バルカルセ、オスカル・エレーロ (vn)、フリアン・プラサ (pf)、アルシーデス・ロッシ (cb)、ホルヘ・マシエル (vo)
    • ルジェーロは1939年の楽団立ち上げからずっとプグリエーセ楽団の顔だった非常に個性的なバンドネオン奏者
    • バルカルセとプラサはピアソラの影響外にあって最も重要な現代タンゴの作編曲家
    • バルカルセは後に《オルケスタ・エスクエラ・デ・タンゴ・エミリオ・バルカルセ》で後進の指導にもあたる
  • 【曲】Vigilia ビヒーリア (眠れぬ夜) / セステート・タンゴ
    • ラバジェン作曲、ダリオ・カルドーソ作詞
    • 1974年録音
    • 演奏も歌も圧巻
  • 1987年にセステート・タンゴを脱退、ブエノスアイレス市立タンゴ・オーケストラに参加
  • 1989年、プグリエーセ楽団のバンドネオン奏者だったロベルト・アルバレス等と《オルケスタ・コロールタンゴ》旗揚げに参加
  • 後にタンゴショー《フォーエヴァータンゴ》のオルケスタにも参加
  • 2000年、2003年には小松亮太氏が彼を招聘、共演
    • かなりビシバシとしごかれたとのこと
  • 2007年にようやく自身の名を冠した楽団を結成、アルバム録音
  • 【曲】Meridional メリディオナル / ビクトル・ラバジェン楽団
    • ラバジェンの代表作
    • ポピュラー音楽としては異例の曲構成で、曲の中にほとんど繰り返しの要素がない
  • 以後オルケスタとトリオで精力的に活動、2010年には来日 (この時は5人編成)
  • 【曲】Chiquilin de Bachin チキリン・デ・バチン / ビクトル・ラバジェン
    • ラバジェンのバンドネオンソロ
    • ここでは派手さは無いが、確かな技巧と豊かな音楽性が感じられる味わい深い演奏
  • 80歳を過ぎてもますます精力的に活動
  • 2017年からは《オルケスタ・エスクエラ・デ・タンゴ・エミリオ・バルカルセ》で後進の指導にもあたる
  • 【曲】Comme il faut コム・イル・フォー / ビクトル・ラバジェン=パブロ・エスティガリビア=オラシオ・カバルコス
    • 2019年リリースのアルバムより
    • 目下の活動の中心となるトリオ
    • エスティガリビアは若手注目株のピアニスト
    • カバルコスは父子二代にわたりレオポルド・フェデリコ楽団他に参加してきたコントラバス奏者
    • 80代半ばの演奏とは思えない迫力

音源

今回放送でかけた楽曲は全てサブスクにもあります。お楽しみください。

という訳で

いつものお知らせです。月額550円で「Marcy & Magi の Tango en Tokio」の過去アーカイブが聴き放題となる番組サポーターシステムがあります。新システムへの移行に伴い1か月のみのお試しも可能になりましたので、ぜひご検討ください。詳しくは下記をご参照ください。

事前メモは現時点であと3回分が未公開です。次の放送 (今のところ2月19日の予定) までには公開を済ませたいと思います。

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