ジロキチ50周年記念 プチプチはにわオールスターズ おめでとうござりまする 13日の金曜日ライブじゃ!(2025/06/13 東京・高円寺Live Music JIROKICHI)

数あるライブハウスの中でも老舗のひとつ、高円寺のLive Music JIROKICHI。実は昔から名前は知っていたものの、何故かご縁がなくて今まで行ったことがなかった。そのJIROKICHIの50周年記念として《プチプチはにわオールスターズ》のライブ!これは行くしかない!

というわけで友人がチケットを取ってくれたのだが、ネット予約はなんと発売の瞬間に一度売り切れてしまい、諦めきれず再度アクセスしてみたら予約受付が復活していて何とか取れたのだそうだ。当日開場時に受付番号順に並んだら、60番台の私が一番後ろ。ということは私で終了だったということ?なんというラッキー!

《はにわオールスターズ》は邦楽囃子方仙波流家元にしてパーカッショニストの仙波清彦が率いる音楽集団。名前はサルサ界の伝説的バンド《ファニア・オールスターズ》をもじったものである。フル編成の時は50人ほどにもなる大所帯だが、今回はその縮小版ということで頭にプチプチが付いている。とはいえ楽器だけで15人、それにゲストボーカルが5人の総勢20人編成。JIROKICHIの狭さを知っている人なら「あり得ない!」と思うことだろう。実際全員がステージに乗ることはできず、ボーカル勢は客席側に張り出してカウンター横に配置される。客席はほとんど立ち見で身動きもできないほど。実は2020年3月にもJIROKICHIの45周年記念でほぼ同じ編成・同じ構成のライブをやったそうなのだが、その時に誰も「これは無謀だった」と思わなかったのだろうか。いやむしろ「大丈夫、あの時できたから今回もできる」だったのだな。おかげさまで聴けたのでもちろん文句はない。メンバー1人あたりお客は3人ちょっとの計算で (そんなもん計算するなw) なんという贅沢。

オープニングは「ちゃー飲み友達スレスレ」。あー、これこれ!このリズム、この分厚い音、このコーラス。狭くても踊っちゃう。足踏みしてるだけだけど。ジャズ、フュージョン、ロックの名だたるミュージシャンが揃う中に邦楽のお囃子が違和感なく溶け込む、というか重要な要素として存在する。至福の響き。「呪われた歌手」三橋美香子の呪術的和ロックとレディー・ガガの融合、「声があのちゃん」上野洋子のピンクパンサー。木津かおりの「新川古代神」は、はいめでたさや~の歌詞とは裏腹の不気味なシンセの音でスタート。小川美潮の「人と星の間」は青山純に献杯。インスト「ウェイトレス」でみんな踊り狂って第一部終了。ちなみに未唯mieは第一部ではお休みだったけど、ボーカル4人の横に座ってずっと微笑んでいて、そのお姿が神々しい。

第二部は未唯mieも参加。三橋「ちんだん」は「ぼーんぼーん」が夢に出てきそう。木津「秋田音頭」はほぼパーカッションのみの伴奏で超絶かっこいい。上野は自身のアレンジで、プッチーニ『蝶々夫人』からの「ある晴れた日に」。小川「ブンガワン・ソロ」は祇園さんのコンチキチンが絶妙に馴染む。小川「体育祭」なんでしょうこの幸福感。そしてここから未唯mieフィーチャーでピンクレディー3連発。メタル版「サウスポー」は三橋の絶叫が壮絶。「UFO」はボサノバ、「ペッパー警部」は「007」風5拍子を交えた超絶複雑アレンジ。これらを見事に歌う未唯mieを観ると、やっぱりこの人はスター以外の何者でもない、と実感する。ラストは小川「水」。ぽたりと落ちる雫が海に至るまでの壮大な物語を、全員のソロをフィーチャーしながら辿る。楽しくて美しくて激しくて、胸に迫るものがある。

「アンコールなんかやんねーよ、あ、でも写真撮って」と仙波師匠。では、と何枚か。

未唯mieが隠れちゃった!ということでこの直前、ステージへの移動前のものも上げておく。拡大したのでちょっと粗いけどご容赦のほど。

それにしても、何度も書くけど本当に幸せを感じるライブだった。好き放題の毒舌をかましても (例えば上の「呪われた歌手」「声があのちゃん」もそうだし、今回の全員レジェンド級のパーカッション陣に「こいつら本当に下手くそ、合わせるのが」と言い放っちゃったりもする) 何故かこれほどのメンバーが集まってしまう仙波の愛されぶりも微笑ましい。割と近いうちにまたやってくれそうな雰囲気もあったので、その機会を楽しみに待ちたい。できればチケット買いやすいキャパがいいなあ、でもこのみっちみちの詰まり具合も捨てがたいなあ。

ジロキチ50周年記念 プチプチはにわオールスターズ おめでとうござりまする 13日の金曜日ライブじゃ!

日時:2025年6月13日 (金) 19:30〜

場所:東京・高円寺Live Music JIROKICHI

出演者:

曲目:スラッシュ”/” の後はフィーチャーされた歌手

【第一部】

  1. ちゃー飲み友達スレスレ / 三橋美香子、上野洋子、木津かおり、小川美潮
  2. 回覧板~Bad Romance / 三橋美香子
  3. Meglio Stasera (I Had Better Be Tonight) / 上野洋子
  4. 新川古代神 / 木津かおり
  5. 人と星の間 / 小川美潮
  6. ウェイトレス

【第二部】

  1. ちんだん / 三橋美香子
  2. 秋田音頭 / 木津かおり
  3. ある晴れた日に / 上野洋子
  4. ブンガワン・ソロ / 小川美潮
  5. 体育祭 / 小川美潮
  6. サウスポー / 未唯mie
  7. UFO / 未唯mie
  8. ペッパー警部 / 未唯mie
  9. 水 / 小川美潮

以下おまけ。

2019年3月20日にフル編成のはにわオールスターズがEXシアター六本木でコンサートを行ったときの感想はFacebookにしか残っていなかったので、ここに転載しておく。

ちょっとすごすぎてうまく言えない。超一流メンバーのフルオーケストラ、ジャズ、フュージョン系はもちろん、邦楽の方々も歌舞伎座に出演されてる方とか。いちいち書くと大変なので興味のある方は末尾のリンクをみてください。
バンドメンバー総勢47名(で合ってるかな?)は入れ替わりとか無しで全員ステージ上。分厚い音、邦楽洋楽関係ないグルーヴ、しばしば変拍子。抱腹絶倒MC。めくるめく世界。
暗黒系な感じの三橋美香子さん歌「回覧板」はレディ・ガガの歌(有名なやつだけど曲名忘れた)とメドレー。小川美潮さんが中盤で歌った曲は少し前に亡くなった青山純さんゆかりの曲らしく、珍しく仙波さんが「青山純に」と。
圧巻の「ソーラン節」を歌った伊藤多喜雄さんの「相撲甚句」を引き継いだデーモン閣下、歌上手いとは思っていたけど和モノも凄いとは。しかもそのあとシューベルトの「魔王」。
振袖姿の未唯が壮絶アレンジの「サウスポー」「ペッパー警部」、奥田民生とABEDONがなんとクリキン「大都会」に「大迷惑」、そしてミュージカル歌手の池田有希子さんにパーカッションのカルガモーズ。
伊東たけしと坂田明と梅津和時がソロ回し、とか、渡辺香津美はじめ凄いメンバーのギター陣がほんの数小節だけクイーンっぽいギターオーケストレーションとか。
ラス前(一応アンコール1曲目)「水」は巡りめぐる水を歌った曲で、小川美潮さんの歌と全パートのソロを順次フィーチャーしながら最後海に至るまでの壮大さになんだか涙出た。
全然感想になってないけどメモってことで。

ちなみにこの時の映像はいくつかYouTubeに上がっているので探してみていただきたい。ポンタはまだ存命だったし渡辺香津美も元気だったんだよなあ。

こちらは2020年のJIROKICHI 45周年の時のもの。既に提供期間が終了した映像配信の予告映像だが、配置等は今回とほぼ同じなので雰囲気を感じていただければ。

もひとつおまけで名前の由来《ファニア・オールスターズ》も貼っちゃおう。

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