Viaje de Tango 第6回 オラシオ・サルガン

すみません!だいぶ遅くなってしまいました。2021年9月19日に放送された「Marcy & Magi の Tango en Tokio」の中のコーナー「吉村俊司の Viaje de Tango」第6回 オラシオ・サルガン、事前メモの公開です。

オラシオ・サルガン Horacio Salgán 略歴

  • ピアニスト、作編曲家、楽団指揮者
  • 1916年6月15日ブエノスアイレス生まれ
  • 14歳で映画館のピアノ奏者としてプロデビュー
  • タンゴを含む様々なジャンルの音楽を演奏
  • 1944年に自己の楽団を結成するも録音の機会なく1947年に解散
  • 1950年に改めて楽団結成、RCAビクターに録音
    • バンドネオンにレオポルド・フェデリコ、バイオリンにビクトル・フェリーチェ、歌手にロベルト・ゴジェネチェ等、優秀なメンバーを揃える
  • 1957年に楽団解散、ギターのウバルド・デ・リオとのデュオで活動開始
  • 1959年キンテート・レアル結成 (以後グラン・キンテート・レアル、ヌエボ・キンテート・レアルとして活動継続)
  • 1960年代以降はサルガン=デ・リオでの活動をメインにしつつキンテート・レアルや大編成楽団で不定期に演奏
  • 晩年は息子のセサルを自身の後継に据える
    • 二人の関係を描いた映画『サルガン×サルガン 父と息子のタンゴ』はもし機会があれば必見
    • 西村秀人さん、谷本雅世さんの PaPiTa MuSiCa が自主上映会のお手伝いをしているので、企画したい方はお問い合わせを
  • 2016年にめでたく100歳を迎えるも、同年8月19日死去

人物

  • ジョーク好きで、得意のネタを書いた「ネタ帳」を常に携行 (上記映画より)
  • 音楽が全てに優先

サルガンの音楽 (楽曲ごとのメモ)

Boedo ボエド (曲フリオ・デ・カロ) / オラシオ・サルガン楽団

  • 1950年代のオルケスタ・ティピカの編成での演奏
  • 途中のピアノソロが絶品
    • 左手の対旋律
    • ジャズ的なリハーモナイズ
    • 圧倒的なグルーヴ感
  • サルガンで踊ったことがあるという証言がひとつもない 、ダンスから最も遠かったアーティスト (小松亮太「タンゴの真実」) → 活躍の場はラジオ、後年はライブハウスやコンサートホール

A fuego lento ア・フエゴ・レント とろ火で (曲オラシオ・サルガン) / キンテート・レアル

  • サルガン、ウバルド・デ・リオ (ギター)、エンリケ・フランチーニ (バイオリン)、ペドロ・ラウレンス (バンドネオン)、ラファエル・フェロ (コントラバス) という超名手揃いの五重奏団
  • ピアソラ五重奏団と同じ編成だが、エレキギターの使い方が大きく異なる
  • 「ウンパ・ウンパ」と呼ばれる独特のリズム
  • 題名は料理用語からで、サルガンのマネージャー、司会者のフスト・ホセ・オテロが付けたもの (西村秀人さん情報)

Grillito グリジート (曲オラシオ・サルガン) / オラシオ・サルガン楽団、サルガン=デ・リオ

  • 題名は「小さなコオロギ」「コオロギちゃん」を意味し、息子のあだ名だったらしい (上述のセサルではなくその兄)
  • 楽団とデュオでほぼ同じアレンジ
    • 年代や編成によらずほとんどアレンジを変えないのがサルガンの特徴
    • 最初の時点でサルガンの音楽は完成されていた
    • アレンジにスケーラビリティがあった
    • 演奏者の技量も凄かった

Siga el corso シーガ・エル・コルソ 行列を追って (曲アンセルモ・アイエタ、詞フランシスコ・ガルシア・ヒメネス) / オラシオ・サルガン楽団

  • ガルデルも歌っていた古いタンゴ
  • ここでは大編成楽団で
  • デ・リオのギターに加え、バスクラリネットの音も印象的

La llamo silbando ラ・ジャモ・シルバンド 口笛で彼女を呼ぼう (曲オラシオ・サルガン) / ヌエボ・キンテート・レアル

  • メンバーはサルガン、デ・リオ、アントニオ・アグリ (バイオリン)、ネストル・マルコーニ (バンドネオン)、オマール・ムルタ (コントラバス)
  • バイオリンのフラジオレット (倍音を響かせる特殊奏法) による口笛の音がユーモラスで、とぼけた感もありつつ洒落た雰囲気のタンゴ

音源

1~6は上に挙げたものです。7の「とろ火で」、8の「行列を追って」はいずれも1950年代のオルケスタによるバージョンを追加収録しました。7は2に比べるとだいぶ落ち着いた感じに聴こえると思います。これならとろ火と言ってもそうおかしくはないかな。それでも終盤はやはり忙しいですが (2は放送でも言いましたが強火で中華鍋煽ってるような演奏ですよね)。8はロベルト・ゴジェネチェの歌が入ります。確かこの時はまだ30歳になったかどうかの頃。一度歌手をやめてバスの運転手をしていたゴジェネチェを上述のサルガンのマネージャーのオテロが見出だして、サルガン楽団の専属になったのだそうです。

こちらの映像はカルロス・サウラ監督の映画『タンゴ』の中のワンシーン。ヌエボ・キンテート・レアルによる「とろ火で」ですが、サルガンの「声」に注目!

いや、注目しなくても嫌というほど聴こえますね(笑)。

放送後、そしてお知らせ

Marcy さんによるツイートまとめは、アップされ次第ここにリンクを貼ります (Marcy さん、いつもまとめありがとうございます!)。

上のメモでも言及した『サルガン×サルガン 父と息子のタンゴ』について、西村秀人さんがツイートなさっていますので貼っておきます。

という訳で、自主上映会をやってみたい方はぜひご連絡を。トレーラーも貼っておきます。

最後にいつものお知らせです。コマラジには番組サポーターという制度があって、一部の番組については月額550円で応援することができます。「Tango en Tokio」もそのシステムの対象で、サポーターになると過去に放送されたアーカイブが聴き放題なんです (特典は番組によって異なります)。今から登録しても、過去に私が出た回も聴けます。というわけで、これを機会にこの番組を応援してみようかな、という気分になった方がいらっしゃいましたら、ぜひ募集ページ 集まれー!コマラジ番組サポーター をのぞいてみてください。

そこまではまだ決心がつかない、という方は、ぜひ次回放送を聴いてみてください。番組自体は毎週日曜正午からやってますので、思い立ったらぜひ直近の日曜に。聴き方についてはマーシーさんのブログの「ラジオの聴き方」をご参照ください。

なお、私の次回出演は10月17日の予定です。よろしくお願いします!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です