The Awoken Creatures.:*+ -piano recital- 梅井美咲 (2025/12/11 東京・池袋 自由学園明日館講堂)
10月のBLUE NOTE PLACEでのライブがすさまじく良かった梅井美咲。
今回はピアノリサイタルである。リサイタルと銘打つからにはクラシックっぽいのかな?でもタイトルは10月の公演と同じ “The Awoken Creatures.:*+” だな…ということで、どんな内容になるのか大いに期待して会場に向かった。
場所は池袋の自由学園明日館講堂。フランク・ロイド・ライトの設計による重要文化財なのだそうだ。外観等の写真を撮らなかったのが惜しまれる。中は教会のようなベンチが並び、ステージには潔くピアノ1台のみ。ノーマイク。

自作曲「Tear.:*+」からスタートし、そこからシームレスに「I can’t help it / After the morning」へ。原曲をよく知らないのでどこからがどの曲だったのか認識できていないが、湧き出る音に圧倒されつつ陶酔。10分以上続いた目くるめく世界から、少しの間をおいてショパンへ。
そんな感じで、自作曲、クラシック、ジャズ、ポップスが続く。クラシックは原典を尊重する一方で、ジャズやポップスは時にクラシックの衣装をまとい、時にロックを召喚する。洪水のようなパッセージの連続と同じくらい、音価の長い和声や休符が語りかける。
印象に残ったのはラヴェルの「水の戯れ」。本当に水が戯れているとしか言いようのない音。全然感想になっていなくて申し訳ないが。ジョニ・ミッチェルの「Both sides now」とシューマン/リストの「献呈」という、まるで異なる世界を曲間なしで続けて聴けたのは、梅井美咲という存在なしではあり得なかった体験。
ステージ最後まで一言も喋らなかったけど、アンコールで少しだけ語り、そして歌ったのが中村佳穂の「忘れっぽい天使」。儚げなウィスパーボイスなのにノーマイク、にも関わらず歌詞が全部聴き取れる。その言葉が胸を抉る。なんだろう、あれは。
(以上、当日夜Instagramに投稿した感想に加筆)
The Awoken Creatures.:*+ -piano recital- 梅井美咲
日時:2025年12月11日(木) 19:00~
場所:東京・池袋 自由学園明日館講堂
出演者:梅井美咲 (pf)
曲目:
- Tear.:*+ (Misaki Umei)
- I can’t help it / After the morning (Michael Jackson / John Hicks)
- Etudes op.25-2 (Frédéric François Chopin)
- ヴェイル (Misaki Umei)
- 水の戯れ (Joseph-Maurice Ravel)
- Golden Slumbers (Paul McCartney=Toru Takemitsu)
- かなしい時は (when you feel sad) (Misaki Umei)
- Stepping outsice (Misaki Umei)
- Loops (Misaki Umei)
- Both sides now (Joni Mitchell)
- 献呈 (Robert Schumann=Franz Liszt)
- Say yes (Elliott Smith)
- 【アンコール】忘れっぽい天使 (中村佳穂) – ピアノ弾き語り
卓球好き、音楽好きです。飲み食い好きが高じて料理もします。2024年ソニーグループ(株)を退職し、同年より(株)fcuro勤務のAIエンジニアです。アルゼンチンタンゴ等の音楽について雑誌に文章を書いたりすることもあります。
なお、当然ながら本サイトでの私の発言は私個人の見解であります。所属組織の方針や見解とは関係ありません (一応お約束)。
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