忘れないために~SPANK HAPPY 「悲しむ物体」

2年前から毎年1月17日と3月11日には必ず聴く曲がある。SPANK HAPPYというグループの「悲しむ物体」。Facebookでシェアしたりもしているので、私とつながりのある方は「またか」と思われるかもしれないけど。

この曲が収録されたアルバム “Freak Smile” はリリース当時買ってよく聴いていたが、この曲については勝手に、近未来の戦争の後の廃墟をさまよう情景のように思っていた。
それが大きく転換したのが2011年3月11日の東日本大震災の後。なぜこの曲を聴いたのか、もはや経緯の記憶は定かではないが、この曲が歌っているのは近未来のことなどではなく、今まさに起こっていることなのだ、と気付いた。そしてさらに、この曲が書かれたのはまさに阪神淡路大震災の直後だったということを下記の記事から知った。
@watopa_q
この記事に引用されている箇所と同じ箇所を引用しておきたい。

悲しみよ 雪になって この街と私を 埋めつくして
さよならよ 歌になって この街に ずっとずっと

悲しみもさよならも引きずるのは良くないけど、確かにそこにあったことは間違いない。それを決して忘れないために、これからもこの歌を聴き続けて行こうと思う。そして、これから起こるであろう悲しみやさよならを少しでも少なくできるよう、この歌を聴くことで感じる痛みから意識を逸らさないようにしたい。最初に感じた「近未来の戦争」までもが現実のものに近づきつつあることにも強く抗いながら。


アルバムは1995年にリリースされ、その後長らく入手難だったが、現在は2007年リリースのリマスター盤(下記)と通常版が出回っている。MP3ダウンロードも可能。

Standard of 90’sシリーズ「FREAK SMILE」(紙ジャケット仕様)(スパンク・ハッピー)

SPANK HAPPYはハラミドリ(vo)、菊池成孔(sax)、河野伸(key)が1992年に結成したグループで、”Freak Smile” は彼等のファーストアルバムである。「悲しむ物体」はアルタード・ステーツ(g: 内橋和夫、b: 那須野満、ds: 芳垣安洋)と大友良英(g)をサポートに迎えてのトラック。
ボーカルのハラミドリ=原みどりは、その後自身のグループでも同曲を演奏している。ずっと泣いているようなSPANK HAPPYのトラックに比べると抑え気味だが、その分じわじわと深く心にしみるものがある。

忘れないために~SPANK HAPPY 「悲しむ物体」” に対して2件のコメントがあります。

  1. よしむら より:

    冒頭部分を修正しました。
    2、3年前から→2年前から
    3年前はあり得ないですね。失礼しました。

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