ニコラス・レデスマがやって来る!

今年(2013年)の民音タンゴ・シリーズはニコラス・レデスマ楽団。いつも素晴らしいタンゴ楽団がやって来る民音タンゴ・シリーズだけど、今年は特にすごい!

ニコラス・レデスマは1965年アルゼンチン、ラ・パンパ生まれのピアニスト。幼い頃より地元の楽団で演奏し、15歳で巨匠オラシオ・サルガンに師事。1992年には現代最高のバンドネオン奏者の一人、レオポルド・フェデリコの楽団に加入し、同楽団のメンバーとして何度か来日も果たしている。その後もフリオ・パネ他多くのミュージシャンと共演。映画「アルゼンチンタンゴ 伝説のマエストロたち」でも巨匠たちの集う楽団のピアニストという重責を担った。日本人との縁も多く、小松亮太の2004年のアルバム「タンゴローグ
」にも参加。またオルケスタ・アウロラの共同リーダーの一人、青木菜穂子の師でもある。
そんな彼が率いる楽団のメンバーがまたすごい。第一バイオリンはパブロ・アグリ。1968年生まれの彼は、1960年代~70年代にアストル・ピアソラのグループで常にバイオリンを弾いていたアントニオ・アグリを父に持つ、現代の最重要バイオリニストの一人。第一バンドネオンはオラシオ・ロモ。彼は1973年生まれで小松亮太と同い年。レオポルド・フェデリコ楽団を始めとして数多くの楽団で活躍し、ホセ・リベルテーラ亡き後のセステート・マジョールの中心メンバーでもある。やはり映画「アルゼンチンタンゴ 伝説のマエストロたち」の楽団でも演奏。コントラバスのエンリケ・ゲーラは1952年生まれで、フリオ・パネのトリオなどでレデスマとは同僚。やはり現代の最高峰の一人である。これらのミュージシャンを中心とした8名編成の楽団と、レデスマの妻でもある歌手マリア・ビビアーナ、そしてダンスが3組。これは観ごたえのあるステージなることは間違いないだろう。
公演は1/16(水)の神奈川県民ホールを皮切りに3月まで全国で行われる。詳しくは上記のサイトを参照されたい。
せっかくなので、レデスマの演奏をいくつか紹介しよう。まずは今回の来日メンバーに近い編成(バンドネオンが一人多いが)でのライブ映像でレデスマとレオポルド・フェデリコの共作「タンゴの夢」(映像埋め込みが無効なのでリンクのみ)。
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こちらは歌手(おそらくマリア・ビビアーナ)を加えての「花咲くオレンジの木」。バンドネオンが一人で、ギターが加わった編成になっている。

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レオポルド・フェデリコ楽団での演奏「名曲メドレー」(さらば草原よ~ガウチョの嘆き~太陽のマランボ~一滴の涙~ラ・プニャラーダ~バンドネオンの嘆き)。これは2006年にダニエル・バレンボイムがブエノスアイレス交響楽団を指揮してタンゴを演奏した際にフェデリコ楽団をゲストとして招いた際の映像である。

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もう一本、レオポルド・フェデリコがトリオで演奏した「アストル・ピアソラ・メドレー」(認識できた分でコントラバヘアンド~ブエノスアイレス零時~ブエノスアイレスの春~ブエノスアイレスの冬~来るべきもの)。

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もちろん巨匠フェデリコもすごいが、そのフェデリコが全幅の信頼をおくのがレデスマなのである。以前からのタンゴファンはもちろん、タンゴにちょっと興味のある方も、現代最高レベルのタンゴに直接触れるチャンス!ぜひとも足を運んでいただきたい。

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