会田桃子Quinteto Homenaje A Piazzolla (2026/02/13 東京・大塚GRECO)
大塚GRECO『真冬のタンゴ特集』の一環、会田桃子率いる五重奏団による全曲ピアソラ作品のライブに行ってきた。

このピアソラへのオマージュを捧げる五重奏は、既にGRECOの『真冬のタンゴ特集』『真夏のタンゴ特集』に何度も出演しているようなのだが、私が聴きに行ったのは今回が初めて。2000年前後のいわゆる「ピアソラブーム」の頃には全曲ピアソラというプログラムのライブもあったと思うが、最近ではむしろ珍しい。ただ、このグループのメンバーをはじめとして、今第一線で活躍しているタンゴ・ミュージシャンにはピアソラの音楽がタンゴの入り口だったという人が多く、そういう意味では各人が原点を見直すような意味合いも含まれるプログラムだったのかもしれない。
ずらりと並ぶ重量級の曲目の数々。アレンジは基本的にピアソラ五重奏団のオリジナルを踏襲しており、歌曲や五重奏団のレパートリー以外の曲についても素直にピアソラらしさを現したものになっていた。第一部最後の大曲「コントラバヒシモ」は高杉健人のコントラバスがとにかく素晴らしく、この日一番の聴きもの。第二部はマニアックな曲が多く、本来九重奏で演奏される「フーガ・ヌエベ」や七拍子が異様にかっこいい「悪魔をやっつけろ」など、ライブで聴けたこと自体がうれしい誤算だった上に演奏内容的にも素晴らしかった。ちなみに後者は邦題が誤訳なのではないかという話も出た。原題を素直に訳すると「悪魔のところへ行こう」になることから「地獄へ行こうぜ」とするのが良いのでは?と、なかなか興味深いお話。
個人的にこの日最も印象に残ったのは田中庸介のギターだった。演奏する姿からしてタンゴのライブでは珍しく立ち弾き。基本的には裏方に徹しつつ、エフェクターもうまく使った音色や響きの作り方、「レビラード」の超絶バッキング、「五重奏のためのコンチェルト」終盤のすさまじいソロなど、密かに大活躍だった。
会田桃子Quinteto Homenaje A Piazzolla
日時:2026年2月13日(金)
場所:東京・大塚GRECO
出演:
曲目:作曲は全曲Astor Piazzolla
【第一部】
- Decarissimo / デカリシモ
- La muerte del ángel / 天使の死
- Milonga del ángel / 天使のミロンガ
- Chiquilín de Bachín / チキリン・デ・バチン* (L: Horacio Ferrer)
- Invierno porteño / ブエノスアイレスの冬
- Adiós Nonino / アディオス・ノニーノ
- Contrabajissimo / コントラバヒシモ
【第二部】
- Oblivión / オブリビオン
- Fuga 9 / フーガ・ヌエベ
- Revirado / レビラード
- Yo soy María / 私はマリア* (L: Horacio Ferrer)
- Vayamos al diablo / 悪魔をやっつけろ (地獄へ行こうぜ)
- Romance del diablo / 悪魔のロマンス
- Concierto para quinteto / 五重奏のためのコンチェルト
【アンコール】
- Los pájaros perdidos / 迷子の小鳥たち* (L: Mario Trejo)
卓球好き、音楽好きです。飲み食い好きが高じて料理もします。2024年ソニーグループ(株)を退職し、同年より(株)fcuro勤務のAIエンジニアです。アルゼンチンタンゴ等の音楽について雑誌に文章を書いたりすることもあります。
なお、当然ながら本サイトでの私の発言は私個人の見解であります。所属組織の方針や見解とは関係ありません (一応お約束)。
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