吉田篤貴Emo Strings – New Album「noboru」発売記念コンサート (2026/02/24 東京・めぐろパーシモンホール 小ホール)
吉田篤貴Emo Stringsのニューアルバム「noboru」の発売記念コンサートに行ってきた。場所はめぐろパーシモンホールの小ホール。

コンサートの本編は全て、リリースされたばかりのニューアルバム『noboru』収録曲で構成された。
このアルバムの大きな柱となっているのが、組曲『Before Words』。リーダーの吉田篤貴が、自身の息子の喃語 (赤ちゃん言葉) にインスパイアされて作り上げた楽曲群である。「abuju」「mi-tia mi-goa」「apopokapokepi」「babai」──いずれも、まだ言語になる前の幼い声から生まれたもの。中でも、組曲のラストを飾る「babai」は特別な感動をもたらした。息子が「バイバイ」の意味で発したというその言葉に乗せられたのは、優しく温かな情感。プログラムに「いつか巣立ち、彼自身の人生の旅に出る日が来るだろう、という想いをのせて。」と記されているのを読んで、一層胸に迫るものがあった。
一方で、私自身の個人的な好みであるジャズやロック的な展開、複雑な変拍子についても「Escape」「Hydra」「apopokapokepi」といった楽曲で堪能。どれも推進力とスリルに満ちており、弦楽アンサンブルの繰り出すグルーヴが素晴らしい。タイトル曲「noboru」の壮大な展開もまた、アルバムの豊かなスケール感を体感させてくれた。
唯一の他者による作品として演奏されたのが、三枝伸太郎作曲の「Our “Happy Ending”」。パンデミックをモチーフにしたこの曲は、私たちが向かう先にある何とも苦いハッピー・エンディングを描く。その後も世界がさらに複雑で困難になっていく状況を想い、その響きを受け止める。
アンサンブルとしての完成度も高く、各メンバーの演奏はそれぞれ素晴らしいものだった。中でも特に印象に残ったのがチェロの二人だ。内田麒麟が高音部で紡ぐフレーズの美しさには、何度か耳を奪われた。一方、島津由美は大らかで包み込むような豊かなフレージングで、アンサンブル全体を支える。対照的なふたりの個性が絶妙に絡み合い、Emo Stringsのサウンドに奥行きをもたらしていた。
会場では新作の先行販売があり、終演後は吉田によるサイン会もあった。

裏面にはほかのメンバーが事前に入れてくれたサインも。

帰宅してからも繰り返し聴いている。素晴らしいアルバムのリリースとグループの新たな船出に拍手!
吉田篤貴Emo Strings – New Album「noboru」発売記念コンサート
日時:2026年2月24日(火)
場所:東京・めぐろパーシモンホール 小ホール
出演者:吉田篤貴Emo Strings
曲目:第一部5を除いて作曲は吉田篤貴
【第一部】
- Escape
- Dancing Spoon *
- abuju – 組曲『Before Words』より
- Hydra
- Our “Happy Ending” (三枝伸太郎)
【第二部】
- mi-tia mi-goa ** – 組曲『Before Words』より
- apopokapokepi – 組曲『Before Words』より
- babai – 組曲『Before Words』より
- noboru +
【アンコール】
- Casa Nostalgia
卓球好き、音楽好きです。飲み食い好きが高じて料理もします。2024年ソニーグループ(株)を退職し、同年より(株)fcuro勤務のAIエンジニアです。アルゼンチンタンゴ等の音楽について雑誌に文章を書いたりすることもあります。
なお、当然ながら本サイトでの私の発言は私個人の見解であります。所属組織の方針や見解とは関係ありません (一応お約束)。
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