Trío Primavera (2026/01/09 東京・大塚GRECO)
2026年のライブ初めはトリオ・プリマベーラ。場所は久しぶりに伺う大塚GRECO。

このお店、ライブチャージには季節の一品料理が含まれる。この日はソパ・デ・アホ (にんにくのスープ) とカナッペ。寒い日だったので温かいスープは嬉しい。

2オーダー必須ということで、ギネス (上) とシーザーサラダ (下) も頂いた。後者は自家製のスモークチキンが入っていて大変美味しい。このあと白ワインも追加したのは言うまでもない。

さて、トリオ・プリマベーラ。既にこのブログでは何度も紹介しているが、守田春菜 (pf) が率いるタンゴ・トリオで、メンバーは専光秀紀 (vn)、田中伸司 (cb)。タンゴの花形楽器であるバンドネオンが不在ながら、実に魅力的なタンゴを演奏する。
この日演奏されたのは古典タンゴから1950年代ぐらいまでの王道のタンゴが中心。編曲が秀逸で、レイナルド・ニチェーレのためにエドゥアルド・ロビーラが書いた編曲や、ホセ・コランジェロ、アニバル・トロイロ四重奏団 (これもコランジェロか)、オスバルド・プグリエーセ楽団といった、タンゴの枠の中で現代性を追求した編曲を下敷きにしている。このあたりは私自身の好みのど真ん中で、それだけでもう嬉しい。とはいえ、お手本があってもそれをこの編成で演奏するには編曲、演奏ともかなりの工夫と力量が必要のはず。例えば第二部終盤の「N.N.」なんて、よくこれをトリオでやれたなあ、という感じなのだが、それがぴったりはまって大変聴き応えがあるのだ。加えて守田によるオリジナル編曲も増えており、こちらも非常にレベルが高い。第二部2曲目のピアノとコントラバスのデュオによる「レスポンソ」は、上述のお手本たちと同種の空気感を持ち、重厚にして美しい。田中の師匠であるオラシオ・カバルコスも絶賛したという。
他に印象に残ったのは第一部終盤の「インスピラシオン」での各人の見事なソロ、第二部中盤の「つばめ」の美しさ。また第二部冒頭に演奏されたアレンスキーの「セレナーデ」は、20世紀初頭のバイオリン曲の持つ雰囲気にタンゴに通じるものがある、ということで選ばれたようで、確かに興味深かった。
3月にはこのトリオにバンドネオン2、バイオリン1を加えた六重奏でのライブも予定されており、こちらも楽しみだ。
Trío Primavera
日時:2026年1月9日 (金)
場所:東京・大塚GRECO
出演者:Trío Primavera
曲目:
【第一部】
- C.T.V. / セー・テー・ベー (M: Agustín Bardi)
- La revancha / ラ・レバンチャ (M: Pedro Laurenz)
- Temblando / 震えながら (M: Alberto Acuña, L: Charrúa)
- El abrojito / 可愛いアザミ (M: Luis Bernstein, L: Jesús Fernández Blanco)
- Azabache / アサバーチェ (M: Enrique Francini, Héctor Stamponi, L: Homero Expósito)
- Desencuentro / 破局 (M: Aníbal Troilo, L: Cátulo Castillo)
- Inspiración / インスピラシオン (M: Peregrino Paulos, L: Luis Rubistein)
- Todo corazón / 心のすべて (M: Julio De Caro, L: José María Ruffet)
【第二部】
- Serenade / セレナーデ (M: Antony Arensky) – vn, pf
- Responso / レスポンソ (M: Aníbal Troilo) – cb, pf
- Alfonsina y el mar / アルフォンシーナと海 (M: Ariel Ramírez, L: Felix Luna)
- Chiqué / チケ (M: Ricardo Luis Brignolo)
- Golondrinas / つばめ (M: Carlos Gardel, L: Alfredo Le Pera)
- N.N. / エネ・エネ (M: Osvaldo Ruggiero)
- Gigoló / ジゴロ (M/L: Alberto De Caro, Emilio De Caro)
- La bordona / ラ・ボルドナ (M: Emilio Balcarce)
【アンコール】
- Mimí Pinsón / ミミ・ピンソン (M: Aquiles Roggero, L: José Rótulo)
卓球好き、音楽好きです。飲み食い好きが高じて料理もします。2024年ソニーグループ(株)を退職し、同年より(株)fcuro勤務のAIエンジニアです。アルゼンチンタンゴ等の音楽について雑誌に文章を書いたりすることもあります。
なお、当然ながら本サイトでの私の発言は私個人の見解であります。所属組織の方針や見解とは関係ありません (一応お約束)。
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