Pablo Ziegler & 志和雅恵 featuring Hector Del Curto (2025/12/09 東京・雑司が谷エル・チョクロ)

8月の2台ピアノ六重奏団による素晴らしいコンサートも記憶に新しいパブロ・シーグレル＆志和雅恵。ラッキーなことに年内にもう一度聴く機会が巡ってきた。今回はバンドネオンのエクトル・デル・クルトをフィーチャーしたスペシャルなライブである。

元々パブロ＆雅恵はプライベートで東京に来る予定だったところ、東京に滞在中だったエクトルがパブロに「いつ東京に来るの？一緒に演奏しない？」とメールしたことからこの組み合わせのライブが実現したのだそうだ。エクトルはパブロと長く共演しており、2018年にはパブロのトリオのメンバーとしてグラミー賞を受賞している。プライベートでも彼の子供の名付け親をパブロが務めた、という間柄だそう。そんな共演がたまたま東京で実現してしまうとは、なんというラッキー！

エル・チョクロには残念ながらグランドピアノは1台しかないので、志和は電子ピアノを演奏。ちょっと丸みを帯びた音色で、おそらくソロで聴いたら物足りなかったと思うのだが、アンサンブルとしてはこの音色が意外に効果的だと感じた。パブロはいつも通りかなり前のめりでスリリングなタイム感。急に決まったライブということで若干危なっかしいところもなかったわけではないが、そこは阿吽の呼吸でうまくまとめつつ、各人の即興ソロも聴きどころ沢山。「天使の死」でのエクトルのソロが素晴らしく、スローなミロンガ「ミロンゲータ」では2台ピアノそれぞれの美しさが印象的だった。

終演後はお願いして記念撮影。