12月11日はタンゴの日!今年はオスバルド・プグリエーセ特集

あー、過ぎちゃった!12月11日はタンゴの日!(でした)。というわけで、今年はタンゴ界の偉大なアーティストの一人、オスバルド・プグリエーセの映像を幾つかご紹介したい。
プグリエーセは1905年生まれのピアニスト。1920年代にプロとなり、1940年代には自身の楽団でタンゴ界のトップ・アーティストの一人となる。フリオ・デ・カロの音楽性を継承し、下町の音楽としてのタンゴと高度な音楽性、強烈なリズムを融合させた独自のスタイルで人気を博した。一貫してオルケスタ・ティピカ(バンドネオン、バイオリンが各3~5名程度とピアノ、コントラバスを基本とし、場合によってはチェロなどが加わる楽団編成)を率い、1990年代までずっとタンゴの最高峰であり続けた。また、楽団在籍者から有名アーティストを多数輩出している。1995年死去。
プグリエーセの音楽の魅力は、「ジュンバ」と呼ばれる強烈なリズムと繊細なハーモニーが交錯するところ。以下の映像でその一端を味わっていただきたい。
まずはホセ・パスクアル作 “Arrabal” (場末)。ある時期からプグリエーセ楽団のステージのオープニングとして定着した曲である。1987年、ブエノスアイレス・オペラ座でのライブ映像。

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同じ日の映像でリカルド・ルイス・ブリニョーロ作 “Chique” (チケ)。

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こちらはおそらく1980年代のテレビ出演で、彼の処女作 “Recuerdo” (想い出)。

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続いてこの楽団の最盛期、1950年代の録音を聴いていただきたい。まずは “N..N..” (エネ・エネ)。No nombre = 名無しを意味する。楽団の第一バンドネオン奏者オスバルド・ルジェーロの作品。

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やはり楽団のバイオリニストだったエミリオ・バルカルセの “Si sos brujo” (もしお前が魔術師だったら)。映画『アルゼンチン・タンゴ~伝説のマエストロたち』でも取り上げられた曲。

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歌ものを一曲。1956年の録音、マリオ・メルフィ、マリオ・バティステーラ作 “Remenbranzas” (追憶)。歌手はプグリエーセ楽団歴代歌手の中でも最高峰、ホルヘ・マシエル。

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最後に、プグリエーセ楽団のリズムスタイル「ジュンバ」だけでできた曲 “La yumba” (ラ・ジュンバ)をご紹介する。
この映像は1989年、アムステルダムでピアソラ六重奏団とのジョイントコンサートでのライブで、最後に両楽団がひとつのステージに立って演奏した感動的なシーンである。映像埋め込みができないので直接YouTubeで開いてみていただきたい。ちなみにピアソラ六重奏団の第2バンドネオンのダニエル・ビネリは元プグリエーセ楽団のメンバーでもあった。
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実はこのあと、ピアソラの代表曲「アディオス・ノニーノ」に続くのだが、そちらの映像は途中一部カットされていて興ざめなので掲載しない。そのかわり、下のものは映像なし(静止画)だが「ラ・ジュンバ~アディオス・ノニーノ」がフルで聴ける。つなぎの部分のピアノはピアソラ六重奏団のヘラルド・ガンディーニで…とにかく聴いてください!

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ちなみに、プグリエーセのCDは多数出ているが、おすすめはこちら。

Edicion Aniversario: 1905-2005(Osvaldo Pugliese)

2005年にプグリエーセ生誕100周年を記念してリリースされた4枚組CDである。これについては斎藤充正さんのブログの記事も参考にしていただきたい。
また、こちらのCDは私は持っていないが、曲目(→参考)を見る限りはタイトル通り基本的な40曲が収められているようで、プグリエーセの世界を堪能できると思う。

40 Obras Fundamentales(Osvaldo Pugliese)

以上、タンゴの日に寄せてプグリエーセ特集でした。

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