田中邦和 (sax) &林正樹 (pf) 公開レコーディングライブ(2012年1月29日 19:00~ 東京門前仲町・門仲天井ホール) 

林正樹は会田桃子のクアトロシエントスに参加し、またサルガヴォでも活躍するピアニスト。タンゴでの活動しか知らなかったものの、音色の美しさとリズム感、そしてどこかユーモラスだったり寓話的だったりする作品が魅力的なミュージシャンである。
彼とテナーサックスの田中邦和のデュオのCDを公開ライブレコーディングで作る、という話をプロデューサーの徳永伸一氏から聞き、これはぜひともその場に居合わせるべきと確信。なおかつ日頃から入り浸っているフレンチ居酒屋のチーフからも「行こうよ」と誘われ、2012年1月29日夜、門前仲町の門仲天井ホールまで行ってきた。


上記のライブ終了後のツイートにも書いたとおり、1曲目はチャーリー・ヘイデンの「サイレンス」。印象的な和音進行に聴き覚えがある、と思ったら、ディノ・サルーシとチャーリー・ヘイデンの共作 “Once upon a time, far away in the south” にも収められていた曲だった(チャーリーがチェット・ベイカーを迎えて録ったものがオリジナルか)。タイトル通り厳粛な静けさと美しさに満ちた演奏。以後、曲名はわからないながらセロニアス・モンク、チャーリー・パーカー、デューク・エリントンらジャズの巨匠たちの作品に加え、バッハの曲、スティーヴ・スワロウの「アイテム6」、ブラジルのエドゥ・ロボの作品なども取り上げられ、これらが非常に面白かった。メロディーと伴奏がいつの間にか主客逆転していたり、楽音以外の音の表現が多彩だったり…上述の通り緊張感とユーモアが交錯するライブであった。
同日の昼間には1回目の公開録音の音源も行われたそうで、CDには両方のテイクから良いものを選んで収録するとのこと。今から出来上がりが楽しみ!
参考:CDのリリース元、エアプレーン・レーベルブログでの告知記事

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